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隠匿シリーズ☆番外編
第6章 彼の忘れられない人は……?



「ま、待って……」


 肌を晒すのが妙に気恥ずかしく、慌てて止める。


「無理だ。待てない」


 余裕なく言うレオは制止をものともせず、紐をほどきドレスを捲り上げた。また慌てて胸に腕を回し隠しているうち、今度はドロワーズの紐もほどかれる。


「レオ、あの……っ」


「……悪い。本当に無理なんだ。口づけだけで頭がどうにかなりそうで、自分をコントロールできない。……こんなの初めてだ」


 劣情を琥珀色の双眸に浮かべる彼は本当に余裕がなさそうで、珍しく自分から服を脱ぐのもそうだが、こんなレオを見るのはアリエッタも初めてだった。


 そんなレオを眺めながら、自然と口許に笑みが浮かんでしまっていた。


 絶対叱られるから言わないが、可愛く思えてきてしまう。


 いつまでも恥らっているよりも、彼が女性と──アリエッタと初めて肌を重ねる時間を素敵な思い出にして欲しいと思えてもきた。





 一糸纏わぬ姿で横たわるアリエッタを、レオは陶然と眺めている。


 アリエッタは羞恥に耐え、レオから視線を外し、サイドテーブルで揺らめくオイルランプの炎を漆黒の双眸に映している。


 不意に伸びてきたレオの手が、鎖骨から胸、そして腹を撫でていく。




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