この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
隠匿シリーズ☆番外編
第8章 次期執事は誰の手に



 馬車を降りると、いつものレオになる。


「皆、疲れただろ。一先ずはゆっくり休め」


 レオは付き従った兵に笑顔で声をかけている。


 その背を見て、ジョシュアは眼を細めずにはいられない。幼い彼が立派に育ったものだ、としみじみ感じ入る。


 レオが常に悠然としているのは、王太子の立場をよく理解ているからだ。上に立つ者が悠然と構えていれば、おのずと下の者の心に余裕が生まれる。


 それを解っているから、レオは他の者に弱った姿を見せない。


 だが──。


「……なぁ、ジョシュア。この国のすべての者を救いたいと願うのは傲慢か?」


 キッシュの村の隣の領地に宿を置き、領主の悪事を揃えることなどに奔走している最中。レオはふとそう漏らした。


「私はレオ様ならばその願いを叶えるのは可能だと思っております」


「なぜそう思う? 俺はまだ誰のことも救えていない。アリエッタだってまだ……」


「可能性をご自分で潰してはなりませんよ。“まだ”というならば、諦めない限りはいくらでも可能性は広がってます。それにお忘れかもしれませんが、レオ様は私のことを救ってくれたではないですか」


 そう諭すと「そうだったな」と笑う。その笑顔は心許なかったが、琥珀色の双眸には光が失われずにいて、安堵を覚えた。







.
/273ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ