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隠匿シリーズ☆番外編
第8章 次期執事は誰の手に




 それから月日は流れた。国で起こる問題を、レオと共に解決してきた。


 凄惨な光景を幾度も見てきた。その度に怒りと悲しみを心に積もらせる彼の背中を、ただひたすら見守ってきた。


 今ではもうレオは弱音を吐かなくなった。それは最愛の人を得て、心に安定がもたらされたからだろう。


 喜ばしいことではあるが、時おり淋しさが過る。


 けれど一度〈ヒトタビ〉結ばれた縁は、執事の任を離れても切れることはない。図らずも義兄弟となったからだけでなく、揺るぎない互いの信頼がそうさせるのだ。










「え? レオ様の極秘任務を私が……?」


「ええ。とある子爵が不法な薬を売買しているという噂があるんです。それを秘密裏に調べて欲しいそうです。もし何らかの証拠を掴み、子爵の罪を摘発に成功した際には、ディランを昇格させてもいいそうです」


 つい先ほどジョシュアはレオに呼び出され、この話をされた。


 ディラン一人に任せるのは不安が残るものの、こうした任務をこなせなければ、それこそ執事を任せられない。







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