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隠匿シリーズ☆番外編
第8章 次期執事は誰の手に



 患者の秘密を守るのは医師の仕事でもあるのだが、こうも相次げばどこかしらからか噂が立つものだ。


 国王の耳に届く前に、と数名の医師から夫人のときと同じように相談を受けた宮廷医が自らの立場を賭けて王に報告をした。それによりこの件の調査が行われることになった。


 問題は、いつどこでその薬物を女性たちが口にしたかだ。正面きって問いただしたところで、自分の立場を危うくさせるようなことを言わないだろう。


 そこで考えたのは、彼女たちの使用人の口を割らせることだ。慎重に慎重を重ね、突き止めたのは、その日彼女たちは夜会に出席していた、とのこと。


 聞けば、どこにでもあるような普通の夜会。しかし裏があるのは明白だ。


 王から勅命を受けたレオはツテを辿り、その夜会に出席していた人物を出来得る限り調べ上げた。


 するとある人物の名が必ず上がってくるのが判明した。その名は、ディランに調査させようとしている子爵だ。


 だがまだ解せなかった。一介の子爵のみで認可されていない薬物を製造し、売買しているのだろうか。子爵は実行しているだけで、彼を操っている者がいるのではないのだろうか。


 そう考えたレオは、まず子爵の罪を明らかにして、芋づる式に関与している者を明らかにしようとしているわけだ。





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