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隠匿シリーズ☆番外編
第8章 次期執事は誰の手に




「──つまり、組織的な犯行の可能性があり、あなたが失敗して捕まれば、あなたの命が無くなるだけでなく、この件も闇に葬られてしまいます。ですので失敗は……」


「そんな重要な役割をレオ様は私に……!」


 ジョシュアの話を遮り、ディランは感激のあまり瞳を潤ませている。


 本当に大丈夫なのだろうか、とジョシュアは長嘆をせざるを得ない。そのジョシュアに向かい、ディランは自信ありげに口角を上げた。


「任せてくださいって。お忘れですか? 私、元間者ですよ」


「ああ、そういえば。ですがあなたは……」


「はい、主に色恋沙汰に持ち込んで、情報を集めるのを得意としてました。あの頃も剣術は身につけてましたけど、大の大人の男に力では敵いませんでした。だからあの時も……初めて失敗しちゃって死にかけていたところを、別の事件を追っていたレオ様が偶然助けてくださって。ボロ雑巾みたいで、しかも間者を生業としていた俺を、まさかレオ様が引き取ってくださるとは思いもしませんでしたよ」


「私は反対しましたよ」


「でしょうね。普通はそうします。まぁ、我が主人はその普通じゃなかったんですけど」


 ディランは愉快そうに肩口を揺らす。





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