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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待




「だ……だめぇ!」


 ハルが止めるより先に動いたのはアリエッタだ。ハルを通り抜け、レオの腕にしがみつく。


「レオ、だめだよぉ。知らない人に付いていっちゃいけないんだよ?」


「それもそうだな……」


 涙ながらに訴えるアリエッタに心を打たれたのか、レオは口を尖らせてはいるものの頷く。


「可愛らしいお嬢ちゃん。あっちに美味しいお菓子もあるのよ? 一緒に食べない?」


「お、お菓子?」


「そうよ。あまーいプディングも、生クリームたっぷりのケーキも、サクサクのクッキーだってあるのよ」


「本当!?」


 やはりアリエッタも思考も嗜好も子供だ。誘惑に勝てないらしい。そして誘惑に乗ったのがシズとナツだ。


「お菓子!? あたしも食べるぅ!」


「僕も……太っちゃうのやだけど食べたい! しーちゃんは僕が口移しで食べさせてあげるね」


 ハルの腕の中でジタバタとシズはもがき、ナツは止める間もなく脂肪とハートを揺らしながらセレンの元に駆けていく。


「こら、シズ! 暴れんな! ナツもそんな奴の戯言聞くんじゃねー! つかお前、本当に心も子供か!?」


 セレンをとっちめるどころか、完全に保育士と化しているハル。悪夢だ、と再度呟きたくなるのも仕方ないだろう。







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