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秘密の香り
第16章 秘密の重み
敦がお風呂から出てきて
三人で食卓を囲んだ


そうだ…
G.Wのこと…

「敦、G.Wなんだけど…」

「あぁ、友達の結婚式があるって言ってたよね?」

「うん、式の何日か前にみんな行くみたいで…日程どうしようかな…と思って」

「そっかぁ…G.Wだし…俺も行こうかな?」

えっ…⁉︎
嘘…

「あ、結婚式は招待されていないし、普通に観光として」

「いいじゃない、行って来なさないよ」

「母さんも行こうよ、ハワイ行ったことないだろ?」

話が…思ってもいなかった方向へ動き出す


どうしよう…


結局…
敦とお義母さんが一緒に行くことになり

沙穂には
メールですぐに知らせた

まさかの展開だね…と驚きの返信が届く

圭吾さんの耳へ
智也さんから聞かされるのだろうか…


敦が寝てから
私は携帯を手にして
静まり返ったリビングのソファに座った


圭吾さんに
電話をかけたい…


23:42


携帯を見つめ
深呼吸をした


『こんばんは。

遅くにごめんなさい。

電話してもいいですか?』


そうメールに書き
送ってしまった…


5分も経たないうちに
圭吾さんから返事がくる


『こんばんは。
メールありがとう。
こちらからかけるよ、今かけても大丈夫かな?』



私はバルコニーに出て
大丈夫です、と返信をした


そして、すぐに圭吾さんから電話がきた…


「もしもし…」

『もしもし、メールありがとう…
声が聞けて嬉しいよ…』

「私もです…」

『何かあった…?』

「あの…G.Wの…ハワイの…」

『うん…』

「実は…ごめんなさい…」

『桃香ちゃん…?』


言わなきゃ…


「あの…主人と…主人の母と…行くことになって…」

『そうか…うん…』

「すみません…」

『いや…桃香ちゃんは何も悪くないから…謝らないで…』

「でも…」

『沙穂ちゃんから聞いたと思うけど…』

「はい…」


美香さんが来るという話を聞かされて
圭吾さんは謝った…

圭吾さんも…
謝る必要はないのに…


『桃香ちゃん…』

「はい…」

圭吾さんが何か言おうとした瞬間…
リビングの灯りがつく

え…

『ごめんなさい…』

私はそう一言告げて
慌てて電話を切った…























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