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あなたの面影
第8章 一仁の愛し方
「瑞波にされたことが失礼かどうかは俺が決めることだ。俺が言ってるのは謝って卑屈になって自分で完結するなって話だ」

厳しい追求だが、語気はむしろ普段より優しい感じだった。
しかしそれは逃げようとする私をなんとか懐柔しようとする感じでもなかった。
そう。例えるとするならば怯えた捨て猫に愛情をもって接するような真摯さを感じた。

「瑞波は罪悪感から逃げたくて別れようと言ってるのかもしれないけど、俺の気持ちはどうするんだ?」
「一仁さんの……?」
「ああ。俺は瑞波が好きだ。いつも瑞波のことを想ってる……殻に閉じ籠ったままなのは分かっていたけど、少しづつ俺に心を開きかけてくれている……俺はそれが本当に嬉しかった」
「っ……」

一仁さんの性格から考えて面と向かって好きだと言われるなんて思ってもいなかった。
一瞬で顔が熱くなる。
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