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あなたの面影
第9章 危険な罠
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自分がどうしたいのか、まるでわからないまま時間ばかりが過ぎた。
いっそ一仁さんが聡志ならばいいのに、という子供じみた短絡的な妄想に囚われていたある夜。
私のスマートフォンが不意に着信を告げる。
番号非表示という文字に思わず息を飲む。
もしかして……聡志っ!?
その想像は私に呼吸さえ忘れさせ、心臓を大きく高鳴らせた。
「はいっ!? 野寺です!!」
震える手でスマートフォンを握り、抑えきれていない興奮を丸出しに応答していた。
「なに? テンション高っ!? 地味子ってそんな声出せるんだ?」
受話器の向こうから聞こえてきたのは騒音に紛れた玲香ちゃんの声だった。
「あっ……玲香ちゃん?」
「お兄ちゃんだと思ったわけ? すごい興奮したような声だったけど」
嘲笑うような声で私に都合のいい勘違いをしてくれた。
この間の別れ際のような憎しみに溢れた気配は感じられず、少しだけ安堵してしまう。
いっそ一仁さんが聡志ならばいいのに、という子供じみた短絡的な妄想に囚われていたある夜。
私のスマートフォンが不意に着信を告げる。
番号非表示という文字に思わず息を飲む。
もしかして……聡志っ!?
その想像は私に呼吸さえ忘れさせ、心臓を大きく高鳴らせた。
「はいっ!? 野寺です!!」
震える手でスマートフォンを握り、抑えきれていない興奮を丸出しに応答していた。
「なに? テンション高っ!? 地味子ってそんな声出せるんだ?」
受話器の向こうから聞こえてきたのは騒音に紛れた玲香ちゃんの声だった。
「あっ……玲香ちゃん?」
「お兄ちゃんだと思ったわけ? すごい興奮したような声だったけど」
嘲笑うような声で私に都合のいい勘違いをしてくれた。
この間の別れ際のような憎しみに溢れた気配は感じられず、少しだけ安堵してしまう。
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