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あなたの面影
第11章 『あなた』
「もう置いていかないでっ!!」

私は聡志の腰に抱きついて泣き叫んでいた。

「お願いっ!! 三年も待ったんだよっ? 待っていてくれてありがとうって……なんで言ってくれないのっ!! またっ……また私を置いて行っちゃうのっ!?」

私は狂ったように泣き喚いてしまっていた。

「瑞波……」

彼は私の名前を呼びながら頭を撫でた。

あなたは知らないでしょ?

あなたの名前を呼びながら私は三年間ここで暮らしてきたんだよ?

あなたの面影を頼りに、私は三年間生きてきたんだよ?

そんなこと、あなたは知らないでしょ?

聡志はなにも言わず座った。
子供のように泣くことしかできない私をあやすようにずっと頭を撫でてくれた。

泣き疲れて私が眠るまで、聡志は私の頭を優しく抱き締めて撫でていてくれた。

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