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あなたの面影
第11章 『あなた』
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誰かが言った。


夢は案外諦めた頃に叶うものだ、と。


それは素敵な話だと感じていた。

しかし、それは違った。

私は聡志のことをどこか諦めていた。
だから、というわけでは決してないけど、一仁さんのことを受け入れられた。

一仁さんを信じ、一仁さんを愛せると思った。

でもどこかで少しは自分でも認めていた。
私は聡志を諦めていたのだと。


明け方。
目が覚めると私はベッドに寝かされていた。
慌てて飛び起きて玄関に向かうと彼は浴室前の廊下で縮こまって寝ていた。

聡志がいなくなってしまったと思い焦っていた私は彼の姿を確認すると安堵でその場に座り込んだ。

彼の寝顔を改めて凝視する。

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