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あなたの面影
第11章 『あなた』
本当に懐かしい。

三年前のあの日まで、こうして二人で公園のベンチに座って話をするということがこんなに尊い時間だなんて思わなかった。

「今、どこに住んでるの?」

尋ねると聡志は驚くほど近くの都市の名前を告げた。
もう一年以上そこに住んでると聞いて更に意外な気分になった。
行方が分からなくなったからもっとはるか遠くの、それこそ海外のような自分が全く知らない土地にいるものだとばかり思い込んでいた。

「そうなんだ……」

そんなに近くにいたのならもっと早く会いに来てよ。
言いかけた言葉を飲み込んだ。

聡志だって好きで失踪していたわけではない。
私にしてみれば余計な心配だったけど彼なりに私を心配して接触を避けていたのだから。

「じゃあさ……これからは会おうと思えば簡単に会えるね」

わざとらしさが滲み出るほどなんでもないことのようにそう言った。

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