パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第13章 笑顔の別れ

一仁さんのご実家は相当の名家だ。
さすがに亜利沙の家にお泊まりしたみすぼらしい格好で行くわけにはいかない。
私は一度着替えるために家に戻った。


「はぁ……」

クローゼットの中を見て思わずため息が溢れる。
一仁さんのご実家に着ていけるようなシックで気品のある服はなかったからだ。
取り合えずこましなものをベッドの上に並べて眺める。

あれでもないこれでもないと悩んでいるときだった。
ビンポピンポピンポピンポーンと苛だし気にドアのチャイムが連打された。

「な、なにっ!?」

あまりの激しさに驚きながら慌ててドアを開けた。

「ちょっとあんたっ！　なに考えてんのよっ！」
「玲香ちゃんっ!?」

そこには仁王立ちで私を睨む一仁さんの妹、玲香ちゃんが立っていた。
しかもその脇には--

「聡志っ!?」

何故か聡志までいる。
聡志は苦笑いを浮かべながら玲香ちゃんに腕を掴まれていた。