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あなたの面影
第4章 罪悪感と猜疑心
『セックスをして欲しい』とはさすがに自分の口からは言えない。
この連絡先交換が私の精一杯だった。

「ありがと。連絡するよ」

名執さんは丁寧に財布の中へとそれをしまった。


タクシーを降りるときもキスをしてきたりなどはせず、ましてや自分も降りるなどということもなく、紳士的に送り出してくれた。

私は一応礼儀だから、と自分に言い訳をしながらタクシーが見えなくなるまで見送っていた。

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