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仔猫と狼
第17章 素直になること









お父さんは、鳥居さんの話を聞きながら、そっと視線を逸らした。















その表情は、今まで見たことがないくらい泣いてしまいそうな、そんな顔だった。














私の中に子種があるということを聞いた時点で、お父さんはどこかに連絡を入れていた。














そして、鳥居さんの話しが終わった時にちょうどお父さんが連絡を入れた人が来たらしい。













来たのは何度かあったことのある産婦人科の婦長さんだった。













中にいる私に困った顔で微笑みかけながら父に何かを渡していた。













その間、母涙を流し続けていた。













しかし、私の前に座っているのは私が恥ずかしいことをしてしまったからなのだろう。
















もう、きっと汚い子だと思われている。














何年も前に味わったような喪失感と共にストンと落ちてくる感覚。
















やっぱり…。














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