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第5章 一条先生のマンションで　前編

［一条先生視点］

３年生は大学受験の準備があるので…
この高校では生徒会の役員は２年生が中心だ。

生徒会役員の選挙は６月に行われる。

水島亜紀が理科準備室を訪れ…
僕に生徒会長に立候補すると言ったときは
少し驚いた。

そして僕は思い出した。

『生徒会長に立候補してごらん。
一発で人前で話すことに慣れるよ』
って亜紀に言ったこと。

この言葉は間違ってないとは思うが…
亜紀には荷が重い気がする。

半ば冗談だったが…亜紀は真に受けたようだ。

亜紀は普通の生徒だ。
そして…ちょっと内向的で気弱だ。

生徒会長になったら…大変だろうが…
亜紀は成長するだろう。

でも…生徒会長選挙の立ち会い演説会…
亜紀はこなせるだろうか？