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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第35章 《巻の弐―再会―》
 ふと閃くものがあり、泉水は問うた。
「ここから見る月が綺麗だから―、ですか?」
「ああ、ご名答。ほら、見てみな」
 夢五郎はそう言って、また空を見上げる。
 晴れ渡った夜の空に、丸い月が昇っている。紫紺の空に縫い止められでもしたかのように、無数の星々が光っている。まばゆい輝きが今にも地上に向かって降り注いでくるようだ。
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