この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第36章 《巻の参―杏子の樹の傍で―》

それこそ、本当の孫の誕生を待ち侘びているようであった。いや、時橋だけでなく、光照、伊左久に至るまで皆が泉水の胎内に宿る小さな生命の成長を心待ちにしている。
これだけ祝福され、待ち望まれて生まれてくる子は幸せに違いない。素直にそう思える。
「ホウ、それは利発な子だな。もう、腹にいる時分から私の言葉が判るのだな」
夢五郎はそう言って悦に入っている。こちらも、まるで腹の赤子が生まれる前から親馬鹿ぶりを発揮する父親のようだ。
これだけ祝福され、待ち望まれて生まれてくる子は幸せに違いない。素直にそう思える。
「ホウ、それは利発な子だな。もう、腹にいる時分から私の言葉が判るのだな」
夢五郎はそう言って悦に入っている。こちらも、まるで腹の赤子が生まれる前から親馬鹿ぶりを発揮する父親のようだ。

