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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第36章 《巻の参―杏子の樹の傍で―》
「どうだ、元気に育ってるか?」
 夢五郎が泉水の腹部に顔を近づける。
「あ、動いた」
 まるで夢五郎の呼びかけに呼応するかのように、腹の赤子がポンポンと勢いよく泉水の腹を蹴っていた。半月ほど前から自覚できるようになった赤子の動きは日が経つにつれ、活発になってゆく。時橋などは泉水の腹に触って赤子が動くのを確かめては、歓んでいる。
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