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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第64章 十三夜の月 《壱》
 美咲はその動きにつられるように背後を振り向き、息を呑んだ。
 前方に、小さな寺が見えている。それは、半刻ばかり前に美咲がこの山上に着いた時、通った場所のはずであった。なだらかに続く山道の脇に立つ竹林の間にひっそりと建っている。
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