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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第64章 十三夜の月 《壱》
美咲は我知らず、畳に上がり込んでいた。
部屋の内は小綺麗に整えられている。畳は所々すり切れて、建物そのものは随分と古いもののようで、部屋はどう見ても六畳ほどの広さしかない。隣に襖で隔てられた部屋がもうひと間あるようだが、どうやら、庵はこの部屋とその続きの間との二部屋だけのようであった。
老尼の座す部屋には余計な家具は一切見当たらず、片隅に小さな文机がポツンと置かれているだけだ。殺風景と思えるほどに整然とした風景である。
部屋の内は小綺麗に整えられている。畳は所々すり切れて、建物そのものは随分と古いもののようで、部屋はどう見ても六畳ほどの広さしかない。隣に襖で隔てられた部屋がもうひと間あるようだが、どうやら、庵はこの部屋とその続きの間との二部屋だけのようであった。
老尼の座す部屋には余計な家具は一切見当たらず、片隅に小さな文机がポツンと置かれているだけだ。殺風景と思えるほどに整然とした風景である。