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第64章 十三夜の月　《壱》

「死んだら、何もかもそれで終わり。ならば、運命に負けずに生きてみようと、運命に流されるだけでなく、己れが流されて辿り着く場所がどこなのか、そこで何が待ち受けているのか、この眼でしかと見届けてやろうと思うたのです。死のうと思うほどです、あなたもよほどのことがおありだったのでしょう。その辛さや口惜しさは、たとえ口に出さずとも判ります。されど、憎しみに、運命に屈服してはなりませぬぞ。