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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第8章 《巻の参》
「お前のことを気に入ったって言ったろう? 何か、あれから忘れられなくてな、どこの家の娘かずっと気にして、それとなく探してはいたんだが、まさか、あいつの嫁さんだったとはな。嫁さんの前で言うのは申し訳ねえが、俺はあいつのにやけた面を見ると、虫酸が走るような、嫌な気分になるんだ。何の苦労も知らねえで、ただ跡取りに生まれたってだけでちゃっかりと榊原家の当主におさまって女の尻ばかり追いかけ回してる、いけ好かない野郎さ。