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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第11章 《巻の壱―予期せぬ災難―》
 どうやら、男は荷車を引いていた男―正しくいえば馬を御していた男に腹を立てているようだ。
 泉水は小さな声で言った。
「いえ、私が悪いんです。あんな天下の往来をぼうっとして歩いてたものだから。荷車がすぐ近くに来るまで、気付きもしなかったんです」
 その言葉に、男が眼を剥いた。
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