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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第11章 《巻の壱―予期せぬ災難―》
「お前って、変わってるな。とんでもねえお人好しっていうか、何というか。普通なら、こんな時、自分を轢き殺そうとした相手の肩なんか持たねえぜ」
 泉水は何と応えて良いものやら判らず、曖昧に微笑んだ。
「とにかく、生命があって良かった。俺は誠吉。まだ駆け出しの職人さ。あんたは?」
 誠吉と名乗った男が泉水を見つめた。
「私、私は」
 泉水は言いかけて、言葉を失った。
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