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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第12章 《巻の弐―待ち人―》
《巻の弐―待ち人―》

 どこかで誰かが呼んでいた。
 そう、いつもの、あの哀しい夢だ。
 遠くであの人が呼んでいる。私の名前を呼んでいるのに、私にはそれが判らない。どうしても思い出せない。
 お願い、誰か、私をこの暗闇から連れ出して。私を待つあの人の許へ連れていって。
 私はここにいるから、私はここでずっとあなたを待っているからと、あの人に伝えて欲しいの。
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