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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第12章 《巻の弐―待ち人―》
「―おさよ、おさよ」
 泉水は身体を揺さぶられて、我に返った。
 どうやら、うたた寝をしていたらしい。
 誠吉と共に暮らし始めて、既に半月が経っていた。泉水の怪我もほぼ癒え、日常生活には支障がないほどまでに回復した。右手の骨には異常はなかったようで、手脚に追った打ち身は、しばらくはかなり痛んだけれど、十日経つ中にはかなり薄らいで、今ではすっかり良くなった。
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