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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第12章 《巻の弐―待ち人―》
「夜眠ると、いつも夢を見るんです。辺りは一面の真っ暗闇で、私はその闇の中を一人で歩いてる。でも、どこまで歩いても、闇の中を抜け出ることはできない。闇の彼方から誰かが私を呼んでいるのに、私はその人のところに行けないんです。何とかして行きたいのに、どうしても行けません。誠吉さん、私はその人の許に帰りたい。多分、私には家族がいたと思うんです。その私を呼ぶ人が私の何なのか、もしかしたら親なのかもしれないし、兄弟なのかもしれません。だとしたら、私はその人たちのところに帰りたいんです」
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