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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第12章 《巻の弐―待ち人―》
 夕方、ひっそりと花開く儚げな風情の花。
 妖しさを感じさせながらも、淋しげな雰囲気の漂う花だ。花の向こうで、また誰かが呼んでいた。
 あなたは誰、誰なの?
 闇の向こうから、私を呼び求めるのは誰?
 眠る泉水の白い頬をつうっと涙の雫がひと粒転がり落ちた。

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