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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第12章 《巻の弐―待ち人―》
 感謝もしているし、好感は持っているが、惚れているわけではない。だが、泉水の記憶は依然として戻らないままで、名前さえ思い出せない状態が続いている。
 一体、自分はどうしたら良いのだろうか。
 泣いている中に、泉水はいつしか眠りに落ちていった。
 夢の中で、泉水は白い花を見た。
 大輪の夕顔が闇の中でほの白い花をひそやかに浮かび上がらせている。
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