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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第13章 《巻の参―驟雨―》
そして、何より、あの何事にも一生懸命に向かってゆく姿には、健気さ、いじらしさを感じて、思わず守ってやりたくなってしまう。
泣き顔も可愛いし、笑った顔も可愛い。くるくると風車のように変わる表情には、あどけない少女の顔もあれば、どきりとさせるような大人びた表情がある。あの娘を知れば知るほど、誠吉は惹かれずにはおれなかった。
その間にも、腰高障子を叩く音は止まない。 誠吉はやむなく立ち上がり、三和土に降りた。