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Only you……
第8章 明 4
オレは苦痛にうめいた。
「明っ、もうちょっと、力抜け」
切羽詰った声で頼まれるも、オレにはそんな余裕はなかった。額の汗が流れていった。
「ま、待って……」
オレは何とかそれを告げると、麻都の侵入が止まった。オレは素早く軽い深呼吸を繰り返す。
「はぁー、はっはっ、はぁー、はっはっ……」
同じリズムで、何度も繰り返す。これは痛みを誤魔化す方法。ある意味プロの技だった。
麻都はオレの呼吸に合わせ、力が抜けた瞬間を見て挿入を進めた。それはまるで初体験の時のようなスロースピードで。
全てが収まる頃には、オレの呼吸も収まっていた。麻都はしばらく動かずにいると、静かにピストン運動を始めた。だんだんと速度をあげ、そしてまたゆっくりに戻す。
「うっ……はっ、はっ!!……ん」
麻都の肉棒がオレの内壁をすべり、押し進んでゆく。結合部分からは空気の漏れるような音が聞こえた。
「んんっ――!!!ぁぁっ」
腰を打ち付けられ、それとともにオレの体も揺れる。
麻都は片手をベッドから上げ、オレの反り返った中心へと添える。先端はもう濡れていただろう。
麻都がスピードを上げ、そのままスパートをかけるかのように腰を振る。オレは絶え間なく嬌声を上げつづけ、限界がだんだんと近づいてくるのを感じた。それはトンネルを抜けた向こうに見える日の光のような、そんな感じがした。
「うっ、もう……っ」
オレは荒い呼吸の合間に限界を訴える。麻都はサイドテーブルに手を伸ばし、箱からティッシュペーパーを2枚抜き取るとオレの先端を包むように当て、扱いた。オレはぶるっと震え、溜まっていた熱を吐き出す。
麻都は再び動き出す。
相変わらず空気の抜ける音は響き、朦朧とする意識の下でそれを聞いていた。
少し経つと麻都はオレから自身を引き抜いた。オレは「うっ……」と小さく声を上げると支えを無くし、その場に崩れた。
麻都はティッシュに射精し、丸めてそれを捨てた。
オレの髪を梳く気持ちのいい掌。オレは幸せの溜息を漏らし、そのまま眠りについた。横には麻都の温もりを感じながら。
「おやすみ……」
そんな囁きが聞こえたような気がした。