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Only you……
第8章 明 4
熱を吐き出したばかりだったオレなのに、再び熱くなってゆくのが分った。心臓は相変わらずバクバクいっている。立てた膝はガクガクと震え始めた。
しつこいくらいの麻都の愛撫は、全く苦ではなかった。数ヶ月前までそれで食べてきたオレなのだから、1本ずつなんて優しいことしなくてもいいのに。オレは理性を飛ばす寸前で、そんなことを思った。
「ふっ……はぁっ――!!」
先を曲げた指がオレの内部を探る。押し付けるように強く擦られ、時には痛いくらい奥まで突き上げられる。オレはもう声を我慢することも忘れて快楽を貪っていた。
「あ、さと……ぉ……」
麻都はオレから指を4本の指を静かに引き抜き、覆い被さってくる。暖かい人肌。大好きな麻都が今、オレを抱いている。
「明、後ろ向いて」
ちゅっと軽く頬にキスをすると、麻都はオレを片手でひっくり返した。オレは抵抗もせずにコロンと転がる。
「ラブホじゃないから汚したらマズイ。イク前に言えよ」
オレは赤い目で麻都を振り返った。微笑が見えたので安心して向き直る。
麻都はオレの腰を掴み引き上げた。お尻を突き出すような体勢になり、オレは恥ずかしさを紛らわすために枕に顔を押し当てた。
「いい……?」
麻都がオレの背中にある一番大きな傷跡を舐める。痛みを感じなくなって随分と経ったが、それとは違う感覚に鳥肌が立った。
昔の傷も麻都にかかれば性感帯にでも変わるのだろうか。あんなにもオレを苦しめた過去なのに、それさえも麻都に出会うために用意されていたかのように感じる。だって、オレが男娼をしていなければ、麻都にはめぐり合えなかったかもしれないから……。
「ねぇ、いい?」
麻都はもう一度耳元で囁いた。
「そういうこと……わざわざ、聞くな……バカっ」
オレは震える腰に何とか力を入れ、文句を言ってやった。後ろからは笑い声が聞こえた。
ゆっくりと、確かに麻都がオレを侵食して行く感覚。異物感とそれ以外の色々な感覚。それから痛み。どれだけ慣らそうとしても、それはやはり女とは違うわけで、どうしても痛みを伴った。