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Only you……
第1章 麻都 1
「今度いつ会える?」
いつもと変わらぬ俺の部屋、いつもと変わらぬベッドの上、半裸のまま俺は尋ねた。アイツに会うと、俺はいつも次はいつかと聞いた。
アイツはというと、ベッドの脇で素早く服を着ていた。この後も約束があるのだそうだ。
俺はテーブルの上の煙草に手をのばし、ライターで火を点ける。煙が漂い、アイツは顔をしかめた。
「今度いつ会える?」
アイツがなかなか答えないので、もう一度聞いた。どうせ何度聞いても答えは同じだが。
「あんたが金を出せば、いつでも」
答えるとブランド物の腕時計を引っつかみ、慌てて部屋を出ていった。
アイツは売春夫だ。男のくせに男に体を売っている。買う奴は買うもんだ。
俺みたいに。
俺はアイツと、普通に出かけたこともあった。でも、どこへ連れて行ったも、つまらなそうな顔をしていた。
そんなアイツにでも、俺は惚れてしまった。完全な一目惚れだった。それ以来、俺はアイツを買うようになった。
俺は一服してから仕事に向かうことにした。