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Only you……
第4章 明 2
驚いた麻都の顔に、だんだんと赤く染まってゆく。
そしてオレの顔も、真っ赤だったに違いない。
こんなときに、こんな言葉、絶対可笑しいと思う。けど、今言わなきゃいけない気がした。気付いたのも今で、いつの間にこんなに想いが膨らんでいたのか。
だけど、この想いが、オレの胸の中にあるのは事実。
真っ赤な麻都の顔が、笑顔に変わってゆく。
そして――。
「俺もだよっ! 明が好きだ!!」
きつく抱き合った腕からは、初めての暖かい人の温もりが――心まで温めるほどの温もりが伝わってくる。じわじわと、それでいてしっかりと浸透して、もうそこから逃れることは出来ないのだと、逃がしはしないのだと教えているようだった。
――いいんだ、もう。
それは諦めじゃない。
それは逃げじゃない。
――いいんだ、もう。ぶつかるって決めたから。
それは放棄じゃない。
それは逃避じゃない。
――気持ちでぶつかるって、決めたから。
「好きだよ……」
聞こえなくてもいい。
伝わらなくてもいい。
感じてくれれば、それでいいから――。