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Only you……
第4章 明 2
「彼らは客、ということですか?」
「……はい」
吐き出すように言う。
そして、諦めたようにいきさつを話し始めた――。
夜、コンビニに出かけたら捕まってレイプされたこと。
それから麻都の家に転がり込んだこと。
そして今日街へ出かけたこと。
あいつらにレイプされたこと。
全部話しても涙一滴出てこなかった。
「麻都!!」
刑事たちが帰った後、左手に包帯を巻いた麻都が病室にやって来た。
「明……」
悲しそうな笑みを浮かべながら、麻都は近づいてくる。
「……なんで?」
――どうしてそんな、
「悲しそうな顔……」
ふわっと麻都の腕がオレの頭を包み、やさしく抱いた。
「俺のせいだな。この傷も、明の心の傷も……」
声が震えている。
「違うよ……麻都がいなかったら、オレっ」
やっと涙が流れてきた。なんでなんだろうか。さっきまでは全く泣けなかったのに。一体何が違うというのか。
麻都にすがるように抱きつく。
「明……許して、くれるのか……?」
「許、すも何も……」
嗚咽が漏れて、上手く話すことが出来ない。
「オ、レ、麻都なしじゃ、生きられないよ……っ」
涙が止まらない。今までの何年分もの涙が、オレの体を乾燥させてゆく。まるで水分を全て出してしまうまで止まらないかのようだ。
「オレ、麻都が……」
麻都の胸を押して離れると、涙を拳で拭い顔を上げる。この言葉だけはちゃんと目を見て言いたかったから。
それは生まれて初めての――。
初めての――。
「麻都が好きみたいだ!」