この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Only you……
第6章 明 3

「ちょっと、りんさん! もう止めた方が……」

オレが半べそかきながら制止をしても、りんさんはお酒を飲むスピードを一向に緩めなかった。オレが必死に飛びついてコップをもぎ取ろうとすれば、「にゃによ! まら飲むんらからっ」と呂律の回らない状態で言い返された。

「だって、麻都が止めろって……」

泣きたくなるのを何とか堪え、オレはりんさんともみ合っていた。



知らないうちにオレは眠っていた。そして目が覚めたときには、既にベッドの上で朝を迎えていたのだった。まだ早朝だった。

「……んっ」

オレにしては珍しいくらいの早起きで、隣を見れば麻都が虚空を見つめていた。

そしてオレが起きたことに気付いた麻都がオレを見て微笑んだ。

「おはよ。早いな」

「……うん」

オレは昨日のことは夢かと思った。大変だったけど、楽しかったのに、夢かと思った。

「どうした?」

変な顔をしているオレに麻都が尋ねる。オレは控えめに「皆は……?」と言った。

「あぁ、夜中に透真が引き取りに来て、持って帰ってったよ」

「と、うま?」

聞いた事のない名前が出てきて、オレは首を傾げた。

「おっさんの秘書兼恋人。東 透真」

「あ、前に来てくれた……?」

オレは倉庫での一件を思い出し、ぽんと手を叩いた。

あの時、死にそうだったオレと負傷した麻都を守ってくれた人――あれが透真さんらしい。

「なんかおっさんが家出る前に、透真に俺に呼ばれた~って電話したらしくてさ」

その様子を想像して、ププっと笑う。つられてオレも笑顔になる。

麻都が勢いよくベッドから起き上がった。その反動でベッドが揺れる。

「さって、そろそろ支度しなくては」

オレも手伝おうと思って起き上がろうとしたが、麻都がくしゃっと髪を撫ぜて「寝てなさい」と言った。仕方無しにオレはもう一度横になる。

「家出る前にもっかい来るわ」

そう言い残し、ベッドルームを出て行った。
/177ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ