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乙女☆大作戦
第3章 ☆
「で?さっさと作戦考えようぜ。終電まで時間ないぞ」

後片付けが終わった私をせかすように2本目のビールに口を付けた。

「うん。エジプト展に行ってさ。その後は?」
「え?そこまで俺が考えるの?」
「だって~『じゃぁ』とか言って橋本さん帰りそうじゃない?」

そんな風に私が言うと、
今まで機嫌が悪かったのに、
ビールをふきだして笑いだした。

「確かに!!」
「でしょう?」

「あれって上野だっけ?動物園でも行けば?」
「動物園~?」
「さっさと次の行動に移さないと橋本さん帰るぞ」
「そっか」

冗談なんだか、本気なんだかの計画に
笑ったり、ふてくされたりしながら
2人でデートの計画を立てた。

「お前さ。本当にデートに誘ったんだろうな?」
「え?」
「向こうはエジプト展に行くって思ってるだけじゃないだろうな?」
「・・・・」

「お前、自分からキス出来る?」

私の視線を外さずに、さっきよりも低い声で山崎が言った。

「え・・・」
「キスしないと、相手は気付かないかもな。これがデートだって」

「出来る・・・もん」
「へ~」
「・・・・」
「じゃぁ、俺にしてみ?」
「なんで!」

「練習だよ・・・練習」

その間、ずっと私から外さなかった視線を、あわせたまま。
まるでスローモーションのように
ゆっくりと2人の唇が重なった。

「いやなら・・・・拒めよ」

そう言いながら、私の頭がぶれないように
手ですっぽりと抑え込んで
深い深いキスをする。

「ん・・・・」

「美咲」

ゆっくりと、唇を割って舌が入ってきた―――
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