この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
乙女☆大作戦
第4章 大
「加奈?久しぶり」
「近くに住んでるのに、会わないですね」
「加奈。こんなに毎日遅いのか?」
「今日はたまたま。月に1度の残業です」
「こんな時間に一人で歩くなよ」
「はいはい」
やけに親しそうなその女性が私に気付くと
「彼女?」
と山崎をからかった。
「違う。同僚」
「ふ~ん」
ニコニコして私の方を覗き込んで
「加奈です。山崎くんとは同じ大学だったんです」
「井上です」
そんな、したくもない自己紹介をして
加奈と名乗った女性がまだ話したそうにしていたら
「ごめん。加奈。コイツ終電」
と山崎が遮った。
さっきから。
加奈、加奈って。
「あ。ごめん。そんな時間ですか。山崎くんまたね」
手を振って歩いて行く女の子の後姿を
女の子が角を曲がるまで見届けた後
「行くぞ」と言って歩き出す。
「元カノ?」
そんなこと聞いたってしょうがないのに。
「まぁ・・・そう。だな」
歯切れの悪い山崎になんだかモヤモヤして。
改札が見えてきたら
私は駆けだして行った。
「今日はありがとう。明日のデート成功させる」
「あぁ」
「ありがとう。山崎」
「あぁ」
それきり、二人に言葉はなかった。
「近くに住んでるのに、会わないですね」
「加奈。こんなに毎日遅いのか?」
「今日はたまたま。月に1度の残業です」
「こんな時間に一人で歩くなよ」
「はいはい」
やけに親しそうなその女性が私に気付くと
「彼女?」
と山崎をからかった。
「違う。同僚」
「ふ~ん」
ニコニコして私の方を覗き込んで
「加奈です。山崎くんとは同じ大学だったんです」
「井上です」
そんな、したくもない自己紹介をして
加奈と名乗った女性がまだ話したそうにしていたら
「ごめん。加奈。コイツ終電」
と山崎が遮った。
さっきから。
加奈、加奈って。
「あ。ごめん。そんな時間ですか。山崎くんまたね」
手を振って歩いて行く女の子の後姿を
女の子が角を曲がるまで見届けた後
「行くぞ」と言って歩き出す。
「元カノ?」
そんなこと聞いたってしょうがないのに。
「まぁ・・・そう。だな」
歯切れの悪い山崎になんだかモヤモヤして。
改札が見えてきたら
私は駆けだして行った。
「今日はありがとう。明日のデート成功させる」
「あぁ」
「ありがとう。山崎」
「あぁ」
それきり、二人に言葉はなかった。