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乙女☆大作戦
第1章 乙
橋本さんに彼女がいないことが分かって
よし!と決心を新たにしたら
永田君が
「でも、橋本さんをその気にさせるの大変だよ?
あの人、女性に興味なさそうだもん。
合コンの参加もしないし、部の飲み会も、上司と飲んでるだけだし」
なんて事をいう。

「うっ・・・」

永田君の情報に、どこから手を付けていいか分からなかった私に
山崎が偉そうに助け船を出した。

「俺が協力してやる」
「山崎が?」

うさん臭そうなやつを見るような目で睨みつけたら
「井上、お前自分からアプローチしたことあるの?」
「・・・ない」
「だろうな。これだからモテる女は」

あんた、人の事言えるの?

「だから、俺が協力してやる」
「はぁ?」
「男心を教えてやる」
「え~。あんたと橋本さんとじゃ、なんか人種が違う気がする」
「おいっ!」

そんな、私と山崎の掛けあいに永田君が笑う。
「なに?仲いいな。お前らがくっつけばいいじゃん?」
とんでもない!
「私は、顔のいい男を信用してないの!」
鼻息も荒くしてそう言えば

「俺が協力してやる」
「いいよ」
「いい。協力してやる。お前、デートに自分から誘ったことあるのかよ?」
「ないけど」
「だろ?」
「協力してやるから」

お酒が入っているのか
かなり強引な山崎に、永田君も苦笑いしながら

「井上。そうしてもらえ。俺は同じ部だから協力できないからな。
情報はやるけど、あからさまに出来ないだろ?」
「う・・・ん
じゃぁ、山崎。お願い」

そうして私と山崎の奇妙な大作戦が始まった。
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