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Only you……番外編
第13章 次の日の妙な話

――副社長が……大学生?

そんな信じ難いことを急に聞かされて、はいそうですかと納得することはできなかった。それでもその日の夜、私は半ば強制的にその学生さんに会わされることになった。

私が死ぬ時は、きっと過労だろう。そんな考えさえもが頭をよぎる。



副社長室に案内され、散らかったその部屋を片付けることで、その日は大方過ぎていった。後は今夜のご対面だけ。そう思っていた。

 コンコン――。

ドアが2回叩かれ、私が返事を返す前に開けられた。現れたのは秘書の透真さんだった。

「麻都くんの講義がもう終わったらしいので、今からお会いして欲しいのですが、よろしいですか?」

私はこの人だけが唯一のまともな人間に思えた。喋り方といい、態度といい、普通って素晴らしいと感じた。

「はい、分かりました」

そう言って私は透真さんの後ろにとことこ付いて行った。まるでアヒルの雛の様だ。

再び社長室を訪れると、社長ともう1人男の人がいた。背が高く、なかなかハンサムといえる顔立ち、スーツも綺麗に着こなしていた。

私がその男性に見とれていると、くすりと笑われた。私は途端に恥ずかしくなって顔を背けた。

「麻都、この人が秘書の渥美 りんくん。りんくん、こいつが副社長の架上 麻都だよ」

私が驚いて先ほどの男性――副社長――を見上げると、副社長は魅惑的な笑みを浮かべて手を差し出していた。まるでホストのようだとも感じた。

「よろしく」

「はぁ、宜しくお願いします」

握手を交わすと社長に促され、副社長室へと退散した。

――この人も同性愛者……。

――なんか複雑ね。

そんなことを思っていると、突然副社長に話し掛けられた。
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