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Only you……番外編
第15章 寂しげな横顔

「生二つ!!」
麻都さんが大声で叫べば、「はいよっ」という威勢のいい声がどこかから聞こえてくる。
「はいおまちっ!」
大して待たずに生ビールがなみなみと注がれたジョッキが届けられ、私は困惑した。
――生ビールが私を誘ってる……。
金色の液体をじっと見つめていた。
「どうした? もしかして、酒飲めないとか?」
麻都さんが心配して尋ねてきたが、私は反応しなかった。それよりも目の前の液体のことが大事で……。
「私、どうなるか分からないんで」
「へ?」
呟くと取っ手を引っつかみぐいと喉へと流し込んだ。ひんやりとした感覚が通り過ぎてゆく。
「おっ、いけるじゃん」
どんどん流し込んでゆき、一気にジョッキ内の液体を全て飲み干した。
「ぷはぁ!!」
「いっき! いっき!」
周りの酔っ払いたちまでもが便乗して私に飲ませる。
――~……もうどうなっても知らないから!!!
そして私は意識の続く限り飲み続けた。
何杯飲んだか分からない。除々に頭がくらくらしてゆき、突然意識を手放した。

