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Only you……番外編
第17章 病院の外は

「……―――」
手に触れていた貴正の手が、ずるりと滑り落ちた。痙攣も収まった。それでも僕は唇を離せなかった。離した時に襲ってくる現実を受け止める自信がなくて。黙ってキスをし続ける。童話のように貴正が目覚めることを祈って。
「っ……」
涙がぽたぽたと落ち、貴正の顔を濡らした。漏れる嗚咽を我慢することも出来ず、僕はゆっくりと顔を離した。
眠ったような顔。苦しんで死んだとは思えないような、安心しきった寝顔。
「くっ……うっ」
受け入れたふりをして、本当は全然納得なんて出来てない。どうして貴正が。どうして――。
To.愛しの透真へvv
こんな風に手紙を書くなんて、もしかして初めてかもしれない。いっつも傍にいてくれるから、年賀状だって出してないしな!! でも、ほんとに感謝してるから。
人間はいつか死ぬんだって、分ってたし割り切ってたつもり。それでも透真に出会って、死にたくないって思った。それまでは別に気にもしてなかった。むしろ、死んだ方がいいと思ってた。透真が支えてくれた。……と思う。
最初は透真のことが、凄く怖かった。いっつも怒鳴ってるし、私に優しくするのだって策略だと思ってた。だけど違った。根っからの甘々星人だっただけだ。我侭聞いてくれて、嬉しかった。
あ、あと3通も書かなきゃならないから、この辺で終わりにしとくな。なんか、何書いたらいいかも分んないし。
From ステキな貴正より
追伸
泣くなよ。笑っとけ!!
番外編 透真視点 END

