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ラブ☆ファイト!!
第4章 よん
あたしは、散乱している物たちを避けながら、窓を開けて、小さなバルコニーの柵から外にいる栄介に小さく叫んだ。
「栄介、まだだま時間が掛かりそうだから、あたしを置いて遠慮なく帰ってくれ!」
まともな状態の千秋と話しがしたかった。
それには、ものすごく時間が掛かりそうだった。
「本当に?大丈夫か?」
「ああ、あたしは、大丈夫だ。」
栄介は、じーっとあたしの事を、見つめて、数分後、ようやく首を縦に振った。
それを確認したら、あたしは静かに窓を締めた。
再び千秋の前に座って、見ると彼は、興奮状態から脱したのか、壁に凭れながら眠っていった。
コカインか、覚醒剤を吸ったのか…専門知識のないあたしにはよくわからないが、とにかく怪しげな薬に手を出しているのは、間違いないなかった。
合法ドラックであることを願いたい。
…千秋にセフレがいる。
とても複雑な気持ちになった。
ドラックを体内に吸収してからのsexが、とても気持ちが良いことは、周りから聞いていた。
一度、手を出してしまったら、やめられなくなるって聞く。
そこまで堕ちてしまった千秋の事を、あたしは、責める気もなかった。
ただ、ショックだったのは、千秋は他の女とは、sexするんだな?いや、しているんだ!という、事実。
2年前、別に抱いて欲しかった訳じゃなかったけれど、少なくてもあたしは、千秋になら処女をあげても良かったと思っていた。
でも、千秋は一度もあたしに手を出したことはなかった。
大切にされてるんだとばかり思っていたけれど、違うのだろうか?
栄介は、千秋の事を、最低なやつだと言った。
確かに目の前にいる千秋は、あの糞みたいな実の親父と同等の…いやそれ以下の人間に見える。
あたしは、千秋の何を見ていたんだろうか?
聞きたいことが山程ある。
寄りを戻したいわけじゃない。
今は、どうしても類の顔が浮かんでしまう。
類の為に、千秋と決着を着けたい。
決着がついたら、類の胸の中に、飛び込んで行きたいとさえ、思う。
千秋との再会は、懐かしさしかない。
だけど、類の事は…
その気持ちが、何なのか、あたしは、まだ知らない。
‥