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恋のリサーチ
第3章 小さな恋の芽

「あ、ではさっそくですが・・

 まずどのような質問にお答えすればよいでしょう?」



いつも人のペースに合わせるばかり。

これもうちやぶるために先に質問を質問した。



「切り替え早ぇよ。ところでさ、あんたの

 名前、まだ聞いてなかったよな」


「え、そこから答えるんですか?」


「あったりめぇよ!

 オレの名前はわかってんのに

 あんたの事あんたじゃ不公平じゃん」



彼の言うことは筋が通っている。

名を名乗ってもらいながら自分は名乗らないのは失礼だ。



「そうですよね、私、紺野葵衣ともうします」


「コンノ?アオイ?へぇ!紺色で青色って、

 よっぽど青っぽいのが好きなんだな」



聖夜の言葉に驚いた。

色に例えたその発想、

今まで付き合った男たちはみな、

最初にそこにふれた。

紺色の青いちゃんかって・・

この男もまた同じことを言った。まさか・・



「オレどっちかっていうと紺色のほうが好きだからなぁ、

 紺ちゃんにしよう、決まり!」



もしかして私の呼び名を決めてるの?っていうか、

呼び名を決めるほど

あなたとの関係が続いていくの・・?



「で、紺ちゃん歳は?」


・・え?そこも・・聞くの?・・


「リサーチってそういうもんだろ?

 世代別とかってさ。それによって違ってくるんだろ?」



言われればその通り、なんだけど・・


ま、いっか・・私の歳がわかったところで

彼の態度や意識が変わるわけじゃないし・・

だって、ただのリサーチなんだから・・



「はい・・えっと、38です」


「へぇ!意外といってんだ!」



聖夜の言葉がざわついた店内に木霊したような気がして

思わずキョロキョロとあたりに視線を飛ばした。


食器のぶつかる音やエスプレッソマシーンの蒸気の音、

店員さんの天にむかうような明るい声があふれかえっているのだから

両隣くらいにしか聞こえてなんかいないだろうに。


だけどよくよくさっきの言葉の意味を考えてみると・・

歳よりは若く見えるって

解釈していいんだよね・・

勝手にそう思っただけで

私の背中にはひと筋の汗がつたった。

暑さも少し、和らいだっていうこの時期に・・
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