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恋のリサーチ
第3章 小さな恋の芽


「じゃあさっそくよぉ、紺ちゃん、まずは

 流行りの食いもの屋、教えてくれよ。

 何料理、とかさ。どうよ?」



馴れ馴れしいも度を越すと何も感じなくなる。

まるでずいぶん前から知り合いのような、

錯覚さえ感じてしまう。

私も肩の力を抜いた。



「わかりました。そうですねぇ・・」



普段自分が行く店を

頭の中のスクリーンによみがえらせようと

視線を壁に泳がせた時、またもや壁時計に仕打ちを受けた。

9時10分。

いつもの時間を5分オーバー。

でも今日は、

一度目の時と違ってアセる動きを見せずにいられた。


小さな息を鼻から吐き、



「時間切れです、今朝はここまでです。

 明日続きをお話ししますね」



ゆっくりとした口調で、さらにゆっくりとした動作で

背もたれにかけておいたバッグをとり立ち上がった。



「もうそんな時間か・・あれ、

 5分遅いんじゃないのか?急がなくていいのかよ?」



なんだか聖夜の方が慌てているように見えたが私は、



「大丈夫です。

 いつも余裕の時間で動いてますから。

 ありがとうございます」



間延びしたようなお辞儀をし、ゆっくりとした足取りで

返却棚へとカップを置きに行く。



「また明日な!」



店中に広がった聖夜の大きな声を、

身を縮めることなく堂々と受け止め、

返事の代わりに誰に見られてもはずかしくないような、

飛び切りの笑顔を向けた。







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