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トラワレテ…
第4章 覚醒
羞恥心に苛まれ、ゴロりと寝返りをうつ。

その度に香る彼の匂い…

包み込まれる様な安心感に引き込まれ

ユリは再び深い眠りに墜ちていった…。






どのくらい眠っていたのか、

窓から差し込む光に目が覚めた。


(…ん。いまなんじ……?)


ベッドから下り、辺りを見回すと、

窓辺のリクライニングチェアーの上に

ユリのバッグが置いてある。

携帯を探そうと近づくと、

ふと脇にある

アンティークのフロアランプに目が止まる…。




「…………キレイ。」



思わず、手を伸ばそうとした時






「気に入った?」


すぐ後ろから、甘く低い声が聞こえてハッとする。


「ご、ごめんなさい! …つい…。」


「祖母のね、形見みたいなものかな…。

部屋に合わないのは解ってるんだけどね、

これだけはなんか手放せなくて…。」


「……すごく…ステキです…。

とても古いものみたいですけど、丁寧にお手入れしてあって…。

お祖母様の愛情が伝わってきますね…。

ここだけ…なんだかとっても…あったかい………。」


彼の驚いた視線を感じて、我に返った。


「あ、アタシ……知った様な口を…。

ご、ごめんなさい!

す…すきで…。仕事柄よく扱うんですけど…

あの…その…… 」


彼の綺麗な茶色の瞳に見つめられ、

しどろもどろになってしまう…。


「いや。わかる人にはわかるんだね…。

きっと祖母も喜んでいるよ………。ありがとう。」


少し淋しげな彼の横顔に胸の奥がキュンとする…。




「あ、あの…。洗面所お借りできますか…?」


「…! あぁ。

あの扉の奥がそうだよ。自由に使って。

終わったら反対側の扉からリビングにおいで。

たいしたものはないけれど…

一緒にブランチでもどう?」


「あ、はい!ありがとうございます。」














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