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トラワレテ…
第4章 覚醒
寝室のドアを開けてハッとした。


窓から差し込む光に包まれ、
ノンナのライトを、
慈しむ様な表情で見つめる彼女…。


まるで、美しい聖画を見ているようだった…。



声をかけると、

濡れたような大きな瞳とぶつかり、みぞおちをギュッと掴まれたような感覚に陥る。



くるくると表情を変える彼女。

戸惑いながら話す彼女とは裏腹な

とても饒舌な瞳から、目が離せなかった…。




(もっといろんな表情がみたい…。)



今まで感じた事のない

本能に突き動かされるような感覚に戸惑っていると

、すぐに彼女のマンションについてしまった…。



「あ、ここで…。」


「OKー。ちょっと待ってね。」

ハザードを出して、路肩に車を止めた。


「プッ!ホントにすぐだったね。」


「すみません…。歩ける距離なのに…送ってもらっちゃって…。ありがとうございました。」


「いいのいいの。俺が送りたかったんだから。」



別れの時間が迫っている事に、柄にも無く焦る。




(また会いたい…。)



そんな簡単な言葉が、言いたいのに、出てこない。

もどかしさにイライラする…。


(いいのか?俺?)

自問自答していると、彼女が戸惑いがちに、口を開いた。




「あの!本当に色々とありがとうございました。何かお礼を…。」


「そんなこと、気にしなくていいよ。それよりももう無理しちゃダメだよ。」


(何、いい奴ぶってんだ…?!)


「でも…、それじゃ私の気がおさまりません!」


彼女の真っ直ぐな瞳に背中を押されるように、やっと言葉が出てきた。


「ん…。じゃぁさ、明日ちょっと付き合ってくれるかな?」


「明日…ですか?」


戸惑う様な彼女の表情に焦る…。


(急すぎ?急すぎだよな…?!あーークソっ!
なんでもっと上手く言えねーんだ!俺!)


「わかりました!明日ですね。」

ニッコリと笑う彼女に救われた…。


「じゃ明日、この時間にここに迎えに来るよ。いいかな?」


「はい!じゃ、また明日…。」


また明日………そんなあたりまえの会話が嬉しかった。
















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