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トラワレテ…
第6章 確信
ピピピピピピピ…


反射的にアラームを止める。


まだ、ぼぉっとする頭を起こすためにユリはバスルームへ向かった。


コックを捻り、熱くしたシャワーを頭からかぶりながら、
週末の馨さんと過ごした事を思い出していた…。


(あんな素敵な人と…ホントに夢じゃないよね…?)


次の休みは3連休だった。


(また…逢えるかな?)


綻ぶ顔を引き締め、いつものルーティンをこなし、出勤準備をしながらも、高鳴る胸…。


(よしっ!今週も頑張ろっ!)



始まったばかりの恋は、ユリをより一層ヤル気にさせていた。




店に着くと、


「先輩!おはようございまぁす!」

と愛莉が満面の笑で声をかけてきた。


「愛莉ちゃん。おっはよー!」

「あれぇ?先輩?いい事ありました?
なぁんかキレイになった気がするぅ〜!!」

「えっ?な、なにもー…。」


(アタシってば、そんなに顔に出てるの?…///)



「えーー?怪しいなぁ…。金曜日は、こぉーんなでっかいクマつくってたのにぃ?」


(可愛い顔して、す、鋭い…。)


「きっと、いっぱい寝たからだよっ!
さ、仕事!仕事!」


「ちぇっ…はぁ〜い。」




午前中の会議で無事プレゼンも通り、益々意欲が湧くユリだった。


合間に接客をこなしながら忙しくしていると、社長に呼び出された。


(なんだろう…?)



コンコン…。

「社長。山内です。」


「ユリ!入ってぇ。」


「失礼します。なんでしょうか?」


「プレゼンの結果、良かったわぁ〜!さすが、アタシが見込んだだけはあるわね!」


「ありがとうございます!」


「ちょっと話はかわるけど、今週の金曜日にちょっとしたパーティがあるのよ。お得意様も何人かいらっしゃるから、アタシと同席して頂戴。」


「パ、パーティですか!?いつもの格好でいいんですか?」


「何言ってんの!ドレスコードあるんだからダメよぉ!」


「あの…そんな所に来ていくような服…アタシ持ってませんよ…。」


「あら!そんな事、百も承知よ!今日、早めに切り上げて見繕いにいくわよ!知り合いのブティックには揃えるように言ってあるから安心なさい!」


「わ、わかりました。失礼します。」

社長の勢いに押されながら、社長室を後にした。












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