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トラワレテ…
第6章 確信
「ねぇ。キミひとりなの?」


後ろから声を掛けられ振り向くと、

手に二つのグラスを持った男が近づいてきた。



「よかったら一緒に呑まない?」




差し出されたグラスだけ少し濁ったように見える。



「ごめんなさい。連れがいますので…。」


身の危険を感じ、

当たり障りなく断りその場を去ろうとすると

腕を掴まれ強引に引き寄せられた。


「冷たいなぁ…。ずっと寂しそうにここに居たの見てたよ…。」


「ちょっ…!やめてくださいっ!」




男はうすら笑いを浮かべ、

ユリの背中に回した手で

ねっとりと柔肌を撫で回す。



首筋に顔を近づけてくる男の胸を押し返すが、
華奢なユリの力の抵抗など、何の反撃にもならない。



首筋を舐められ、全身に鳥肌がたった…。




(イヤ!キモチ悪い………!)



身をよじり、
いくら抵抗しても男の責めは止まらない。

お尻を撫で回す手が前に回り、ワンピースの裾を手繰り、ストッキングの上から太腿の間に差し込まれた。



「イヤっっっ!」



大きな瞳に涙をため、必死になるユリの姿は
余計に男の欲望に火をつける…。



ピリッ!



ストッキングを破られ
男の指が下着のクロッチ部分をずらす。



荒い息遣いに胸元を侵食され




(もうダメ……………。助けて…。)



会場に背を向けた男の陰に隠れる小柄なユリの姿は
誰からも見えない。




脳裏に浮かぶ馨さんの笑顔…。

ユリの瞳から涙が溢れた…。








「おいっ!!!何やってんだっ!!!」




その怒声と共に、凄い力で男が引きはがされた。


(馨さん………!!!)



恐怖に震え、声も出せず、目にいっぱいの涙をため乱れたユリの姿を目にした途端、馨の顔つきが豹変した。



男に掴みかかり、
襟元を掴み壁に叩きつけんばかりに締め上げながら


「てめぇっ…!
誰の女に手ぇ出してんだっ!!」


怒りに震える拳が
押さえつけられた男の顔面を殴りつける。


そのまま殴り続けようとする馨さんを
茂森さんと社長が止めに入った。



「馨っ!もうやめろっ!
こっちは俺らに任せろ…。お前はユリちゃんを…。」



我に返った馨の目には、真っ青な顔でその場にへたりこんだままのユリの姿…。




















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